こんにちは @ketancho です。今回は「ポモドーロ・テクニック」の話をしていこうと思います。みなさまポモドーロ・テクニックをご存知ですか?簡単に書くと、
- 25分タスクを進める
- 5分休憩する
を1ポモドーロと定義し、この30分サイクルで仕事や勉強を進めていく手法です。きっかけは忘れてしまったのですが、実は結構前からこの手法を試していて、
ポモドーロ5周頑張る
— ketancho 🙂|Kei Kanazawa (@ketancho) July 25, 2017
これは水色本を書いたときのツイートで、プライベートの作業や勉強はポモドーロと相性がよいと思っていました。しかし、
今日から職場でもポモドーロ試してみることにした🙂自分で集中時間ですよフラグ上げ下ろしするの煩わしい(フラグ下げ忘れていつまで経ってもメンバーが話しかけられないのはNG)けど、タイマーはうるさいので、25分砂時計を買うことにする⏳🙂
— ketancho 🙂|Kei Kanazawa (@ketancho) May 8, 2018
このように本業でもトライしようと思った時期があったのですが、残念ながら上手くいきませんでした。というのも、当時は少人数(3〜4人)の開発チームでよくも悪くもメンバー間の距離が近く、ポモドーロを回すという意味ではブロッカーが多い環境だったためです。ビジネスチームのお客さんも隣の島に座っていて、プロダクトを開発する意味ではもちろんよいことですが、上のツイートから1週間も経たずにポモドーロを諦めた記憶があります。
その後日々は流れ、昨年転職し、実は今の仕事はポモドーロに向いていると最近になって気が付きました。お客様との打ち合わせや、チームのミーティングを除くと、
- 打ち合わせの準備
- 技術検証
- マス向けのコンテンツを作る
- そのネタを考える
- 記事を書く
など、日々の5~8割の時間は個人で没頭できるタスクであり、ポモドーロ・テクニックがハマる状況になっていたのです。1月末にそれに気付き再度取り入れてみたのですが、かなり生産性が上がった(当社比)と感じています。
しかし、実際にやってみると色々分かっていないことも多いなとも感じており、
- 1ポモで終わらないときは25分を超えて作業していいんだっけ?
- 自分の使っているアプリだと、4ポモごとに休憩時間が15分になるんだけどこれってなんだっけ?
- ポモの時間が余ったときの正しいふるまいは?
などなどお作法が分かっていないことが分かってきました。もちろん、テクニックの奴隷になる必要はないのですが、我流に走る前に守破離の "守" の部分については理解しておきたいと考え調べてみると、おあつらえ向きの本が2019年に出ているではないですか!前置きが長くなりましたが、この記事では『ポモドーロ・テクニック入門』で学んだことの紹介、そして私が意識していきたいことを共有できればと考えています。

どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門
- 作者:フランチェスコ・シリロ
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2019/03/23
- メディア: Kindle版
『ポモドーロ・テクニック入門』の学び
"今日やることリスト" の書き方
私のやっていたポモドーロ・テクニックは完全我流だったのですが、この "今日やることリスト" を作っていたことは褒められてもいいのではないかと思います。しかし、書き方がイマイチなようでした。これまでの私の書き方は、
□ ブログを書く① □ ブログを書く② □ ブログを書く③ □ ブログを書く④ ...
こんな形でした。1行が1ポモを表しており、「ブログを書くのに4ポモ必要かな?では4つ枠を作っておこう」という考え方でした。しかし、本書のオススメの方法(だと私なりに解釈したもの)は、
今日使えるポモ:9 ===== □ 予定表の作成 / 仕事の在庫を整理 □ □ ブログを書く:粗く全体を書く □□ □ ブログを書く:遂行する □ □ ブログを書く:投稿に向けた準備をする(予約投稿、サムネイル、..) □ ...
という形をオススメしていました。
まず、今日使えるポモ数を朝イチに明確にします。その上で、そのポモ数と同じポモを、その日の "予定表" に書いていきます。この "予定表" に書く作業であったり、中長期的にやりたい / やるべきことを書いた "仕事の在庫" を整理すること自体も1つのポモとして用意し、当日一番最初のポモとしています。
また、各行はタスクの粒度(NOT ポモの粒度)になっており、右側の □
がポモの見積もり数を表します。1ポモ行うことができたら、☒
に変えていくのですが、もし終わらなかった場合は、
今日使えるポモ:9 ===== □ 予定表の作成 / 仕事の在庫を整理 □ □ ブログを書く:粗く全体を書く ☒☒✗✗ □ ブログを書く:遂行する □ □ ブログを書く:投稿に向けた準備をする(予約投稿、サムネイル、..) □ ...
と、□のない✗が伸びていくことになります。伸びることが分かった時点で再見積もりしてもよいが、その場合は ☒☒○○
のように記載し、見積もりからブレがあったことを明確に残せるようにすべきとのことでした。逆に予定していたポモ数よりも少なく終わった場合は、☒□
と□が残った状態で、そのタスク自体を ✓(Done)にします。また、ポモの途中でそのタスクが完了した場合は、残りの時間でタスクの精度を上げたり、タスクを振り返ることに使うのがオススメとも書かれていました。
タスクの粒度ですが、「5~7ポモを超えるものは分割する」ことがオススメされていました。粗い粒度のタスクは何をすべきかがブレイクダウンできていないことが多いのでまずは複雑度を下げましょう、というのはポモドーロ・テクニックに限らず言える話ですよね。
"今日やったことリスト" を改善に役立てる
私は "今日やることリスト" はただのチェックリストでしかなく、その日やることが見える化できていれば十分だと考えていました。昨日より前の "今日やったことリスト" については、やったやらないの管理だけできていれば十分で、振り返って見ることはないものと捉えていたわけです。
しかし、本書には過去の記録を今後の改善に役立てる Input にするのだと書かれています。最後のポモはその日の記録を整理した上で、
- 見積もりと実績はどれくらい乖離があるか?
- 中断した(しそうになった)ポモはいくつあるか?
- "朝やった方が捗るタスク"、"夕方やった方が捗るタスク" のような傾向はないか?
といった分析や改善活動に使った方がよく、この分析や改善をしていくためにもしっかり記録を残しておくべきとのことです。1番下の観点は、私にはこれぽっちもなかったのでよい学びでした。
"中断した(しそうになった)ポモ" と書きましたが、こちらについては、
- 自身が起点となった内的中断(連絡すべきことを思い出した、Twitter したい、など)
- 他社が起点となった外的中断(声をかけられた、チャットで質問された、など)
と2つに分けて定義されています。どちらも共通しているのは、なるべく短い時間で(数秒で)復帰すべし、もしすぐに復帰できない場合はそのポモドーロをなかったことにすべし、という考え方です。短い時間で復帰するための方法として、"予定外 & 緊急" という枠を別表を用意しておき、それにメモだけ残す方法が挙げられていました。それが25分経ったあとも本当に優先度が高いのであれば、次にやることに昇格させ、そうでないのであれば消す or 仕事の在庫に放り込む、といった形です。
数秒以上離脱した場合は、残り5分のポモだろうがなかったことになってしまいます。いかにブロッカーを排除するかが大切です。また、内的中断が起こりそうになったら '
を、外的中断が起こりそうになったら -
を予定表に残しておくと、それもまた分析に役立つとも書かれています。下のような形ですね。
今日使えるポモ:9 ===== □ 予定表の作成 / 仕事の在庫を整理 □ □ ブログを書く:粗く全体を書く ☒''☒'-'✗✗ □ ブログを書く:遂行する □ □ ブログを書く:投稿に向けた準備をする(予約投稿、サムネイル、..) □ ...
休憩の大切さ
ポモ間の休憩は必ず取るようにすることが推奨されています。また、4ポモを1セットとし、1セット終わった際は15~30分の休みを取るのが基本とのことです。ポモ間の休憩は3分〜5分程度とのことですが、疲労具合によっては10分にしたり、3ポモでセットを終了し、その分長く休憩したりしてもよいとのことです。(ただし、毎回10分休憩というのはリズムが崩れるのでやめるべし、とのこと。)
また、休憩中に直前にやっていたタスクのことを考えるのはご法度で、しっかり休むことで新しい視点や別の解決策に繋げたいという意図もあるようです。私はタイマーに気が付かず、あるいは「もうちょっとで終わるから」という気持ちで休憩時間を取らずに進めてしまうことがよくあるので、ここは意識していきたいです。
まだまだ書ききれないくらいハイライトを残していたのですが、これ以上は長くなりそう + 私が実践できる範疇を超えそうなので、このあたりで学びメモは終わりにしたいと思います。まずは幾つかの観点を数ヶ月実践したのちに再度この本を読むことで、新たな気付きを得られそうだと考えています。また、本書ではチームにおけるポモドーロ・テクニックについても紹介されています。こちらについても興味がある方は、ぜひご覧いただければと思います。
まとめと今後実践していくこと
『ポモドーロ・テクニック入門』を読んだので、その学びを整理しました。取り急ぎ、下記を意識していく所存です。
- 最初のポモで "予定表の作成 / 仕事の在庫を整理" を行う
- "予定表" については筆者がオススメするフォーマットで記入し、後で振り返り可能な "記録" にしていく
- 中断せずに1ポモを完遂できるような心がけ・工夫をしていく
- 休憩は必ず取り、タスクと違うことを考える
最後になりましたが、この記事を書く際の "予定表" を晒して終わりたいと思います。(本を読むのにかかった時間は1.5時間程度なので、この記事を書く方が時間がかかったことになります!🍅)
✓ ブログ草案書く ☒☒✗✗ ✓ ブログ磨き込む + 公開準備 ☒

どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門
- 作者:フランチェスコ・シリロ
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2019/03/23
- メディア: Kindle版