【読書メモ】理科系の作文技術

 最近、技術書を書かせてもらっているのですが、技術的な部分よりも文章的な部分に苦しんでいる気がします。そこで、先輩がおすすめしていた「理科系の作文技術」を読んでみました。

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

 普段から無意識のうちに実践できていたことも多少はありました。しかし、大半のことは意識できておらず、結果、ダラダラとした文章を書いてしまっていたと非常に反省しています。今後、意識していこうと考えている部分を中心にメモを残します。

メモ

3章:文章の組み立て

構成案を作る
  • 構成表を作る。必要な項目を並べ、同じ段落のところには、同じような書くのものが並ぶようにする。
  • スケッチ・ノート法。ひとつのパラグラフに書き込むべき内容を短い文でカードに書く。カードを並び替えたり、分割したりして構成を作成する。
筋の通った文章を書くには
  • 自分の書いた文章を厳しく見直す能力が全て
  • 「何度でも書き直す」のが大事

4章:パラグラフ

トピックセンテンス
  • 各パラグラフにトピック・センテンス(そのパラグラフで何を述べたいか)を書く。書いてあるかをチェックする
  • それ以外の文(展開文)は、トピック・センテンスに結びつく内容かをチェックする。関係ないことを書くのはNG
パラグラフの長さ
  • パラグラフを長くしすぎない。短くしすぎない。
  • 参考として200~300文字程度を意識する

5章:文の構造と文章の流れ

逆茂木型の文章とは

 文章全てを読み終わらないと、内容がわからないような書き方

逆茂木型の文章を避けるために
  • 1つの文の中に、2つ以上の長い前置修飾節を書かない
  • 修飾節の言葉に修飾節をつけない
  • 文や節は、なるべく前とのつながりを浮き立たせる言葉で書きはじめる

ことを念頭に入れ、

  • 長すぎる文を分割する
  • 前置修飾節が修飾している言葉を前に出す

ことに取り組む

6章:はっきり言い切る姿勢

  • 仕事の文章で「ほぼ」「約」「ほど」「ぐらい」「たぶん」「ような」「らしい」の類のことばを使わないようにする
  • ぼかした言葉を入れたくなったときは、本当にそれが必要なのかを考える習慣をつける

8章:わかりやすく簡潔な表現

文を短くするために
  • 書きたいことをひとつひとつ短い文に
  • 論理的にきちっとつなぐ
  • 「その文の中で何が主語か」を意識しながら書く
まぎれない文を書く
  • 意地悪く読もうとしても他の意味に取れないように
  • 読み手がどのような意味に取るか、あらゆる可能性を吟味する
  • 修飾語を置く位置を、修飾すべき語に密接させる
簡潔に書く(簡潔とは)
  • 必要ギリギリの要素を洗い出し、それだけを切り詰めた表現で書く
  • 一語一語に役割があり、一語を削れば必要な情報がそれだけで不足するようにする
並列表記
  • 条件などをいくつか並列に書くときは、箇条書き、番号付きリストを用いる
  • 長い文を短文にする効果も持つ
何でもかんでも漢字にしない
  • 文章が適当な白さになることを意識する
  • 漢字だらけやひらがなだらけを避ける
  • 漢字だけで書く言葉をべたにふたつ続けるのを避ける(熟語的なものは許可。「私自身」など)
文末
  • 次々の文の最後の述語が変わるように書く

まとめ

 この本を読んでから自分の文章を読み直し、まるまる一節分書き直すはめになりました。そうならないように、長い文書を書く機会がある方は、まずこの本を読んでみることをおすすめします。また、定期的に読み直したい本だとも感じました。私は、長い文章を書く機会をいただくたびに、この本を読み直すことを習慣にしようと思っています。

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

理科系の作文技術 (中公新書 (624))