先日、下記の記事で「仕掛学」という本について紹介しました。エンジニアの方で「最近UXデザインってよく聞くけど、つまりなんなの?」と思っている方には持ってこいの内容でした。
今回は、UXを学ぶシリーズの第二弾として「おいしいアイディア【ヨーロッパ編】」という本を紹介します。ヨーロッパののクリエイターやデザイナーの方が、どのような思考でアイディアを思いつき、サービスに落とし込んだかがまとめられています。
![おいしいアイディア【ヨーロッパ編】: 欧州のクリエイター、デザイナー、アーティスト、起業家たちはどうやってアイディアを実現させたのか? おいしいアイディア【ヨーロッパ編】: 欧州のクリエイター、デザイナー、アーティスト、起業家たちはどうやってアイディアを実現させたのか?](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51xlK-JzscL._SL160_.jpg)
おいしいアイディア【ヨーロッパ編】: 欧州のクリエイター、デザイナー、アーティスト、起業家たちはどうやってアイディアを実現させたのか?
- 作者: 小檜山 諒
- 発売日: 2017/12/21
- メディア: Kindle版
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実は、会社の後輩くんに「仕掛学」を紹介してもらったのですが、この本も同じ後輩くんからの紹介です。コンパクトにまとめられていて、1日で読み切れる内容になっています。UXデザインは「センス」や「思いつき」勝負ではないことが分かるいい本だと思いました。Kindle Unlimited の1ヶ月無料枠で読めるので、UXデザイン、サービスデザインのノウハウを貯めるにはうってつけの本だと思います。
クリエイターの思考パターンが大量に解説されている本
ヨーロッパで新しいサービスをローンチした方々にヒアリングした内容がまとめられています。プロダクトの紹介と、そのデザイン過程がペアとなり、大体1プロダクト5ページ前後で、約20のサービス・プロダクトが紹介されています。例えば、オランダのリサイクル袋 goedzak について、
オランダの利他的な例であるリサイクル袋 goedzak がどうデザインされたか。モノの機能やユーザではなく、社会全体としてのインパクトを考えた。人の行動にどうポジティブな影響を与えるかを考えた。そのプロセスで「利他主義」の考え方を採用した。#おいしいアイディア
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
最初にしたのは人の観察。道行く人の親切な行為を観察した。オランダの例では、他人の自転車のライトが付けっ放しであればそれを消してあげる風土がある。なんでこんなことをしたんだろう?どんな状況がそうさせたのだろうか?#おいしいアイディア
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
文脈を変える、状況を変える、人の見方を変えるがコンセプト。まだデザインされていない人の行動をデザインしていく。#おいしいアイディア
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
というような形で紹介されています。他に面白かったプロダクトとして、
投票型ポイ捨ては有名な例ですね。#おいしいアイディア
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
こちらが挙げられていました。「クリロナとメッシはどちらがいい選手だと思いますか?」という質問が書かれていて、自分が賛成だと思う方の灰皿に吸い殻を入れるというプロダクトです。この例は非常に有名ですが、そのできた経緯についてはこの本で初めて知りました。
投票型ポイ捨て箱も人の観察から生まれた。ポイ捨ての問題を解決しに行くのではなく、その状況に関わっていく。例えば若い人がパブの外でポイ捨てするのを見て、その時の話題(スポーツの話題)に取り組もうと決めた。#おいしいアイディア
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
とのことです。
- 現場に行くこと
- 直接的な解決にこだわらないこと
- 思わずxxをしてしまう二重のアイディアにすること(ここは仕掛学とまさに同じ!)
という考え方で生まれたプロダクトだったとのことです。
気になったフレーズ集
個人的にアイディエーションをするときに意識したいと思ったことをツラツラまとめます。
自然と面白いなと感じるものを別の分野に応用する#おいしいアイディア
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
デザインは2つの概念やコンセプトを混ぜ合わせ、戦略的に具現化し、機能させること。これは知と知の融合の話だなー。#おいしいアイディア
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
制限をかけることで良いアイデアを生み出す。#おいしいアイディア
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
普段繋がっていないふたつ、複数のことをつ繋げてみる。それでいて、解決策を見つけられることが大事。#おいしいアイディア
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
ニュース番組の間のCMを作るのではなく、ニュース自体を作ることを目指す。#おいしいアイディア
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
特に1番最初のフレーズは印象に残りました。「うまい!」と思えるアイディアを溜めておいて、それに自分が得意なこと・好きなことでアレンジすることで新しいサービスを生み出していきたいところです。読んだ本をこのような記事にしていくことも、良いアイディア(≒のちのちコラボできるかもしれないアイディアが)の蓄積に繋がっていると信じています。
昔やった面白いアイディエーション手法
この本を読んでいて、
質問で会議を変えるカード。「もし〜だむたら?」という形式のカードを引いて会議を進める。プロセスをケアして、参加者がクリエイティブに集中することを支援する。
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
アイデアの発散に良さそう。前に似たようなのやったことあるけど何だっけかな。#おいしいアイディア
という内容がありました。(「もし〜だむたら?」→「もし〜だったら?」ですねw)ツイートにもあるように、アイディア出しのためのカードゲームがよくできているものがありおすすめです。私がやったことがあるものが残念ながらAmazonにないのですが、似たようなものを幾つか紹介します。
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まとめと心がけること
筆者まとめのまとめ
— ちゃんけ (@ketancho) 2018年1月15日
・無意識の前提を疑う
・バルコニーに立って俯瞰する
・出来事の背景Whyを考える正しい観察をする。本当に解くべき問題は何なのか。
・プロトタイピングする
・思わずしてしまう二重の目的を考える#おいしいアイディア
「無意識の前提を疑う」いい言葉ですね。いいアイディアを考えていきたいです。もちろん考えるだけでなく、ドンドン具現化していく2018年にしていきたいですね:)