こんにちは、@ketancho です。2週間に1度記事を書く生活を再開して、もうすぐ2ヶ月になります。今年はこの記事で8記事目なので、なんとか二桁に乗せたいと思う今日この頃です。今日は 1on1 の話を書きます。
1on1 とは
こちら(1on1ミーティングとは?必要とされている背景や具体的なアジェンダの例)のサイトに書かれていますが、
- 上司と部下が1対1で行う対話
- 「短いサイクルで定常的に実施する」ことが通常の面談との違い
- 「短いサイクル」というのは週1回だったり、隔週だったり、月1回だったり
- 1回あたり30分程度
という形で行うミーティングのことです。いわゆる心理的安全性を高める施策のひとつとして導入している企業が増えているという話はよく聞きますね。
現在の職場では、マネージャーと週1回30分 1on1 をすることになっているのですが、私は前職の頃から常駐していたお客さんの影響でかれこれ 1on1 を4~5年やっています(前職のときは 1on1 と呼んでいなかったのですが)。1on1 は「上司と部下」である必要はないと思っていて、一緒に新規事業を進めているお客さんとやっていたこともありましたし、隣のチームの先輩にお願いして隔週で 1on1 をセットさせてもらったこともありました。
私は、事前に話したいことをテキストで整理しておき、それをディスプレイに投影しながら 1on1 を進めています。最近、それに対して「1on1 ちゃんと準備してきて偉いねー。」「そのやり方真似してみますー。」と複数の方から言っていただいたのですが、そもそもみなさんどういう風に 1on1 を進めているんだろう?と思い、この記事で自分のやり方を整理してみることにしました。
また、私自身マネージャーとだけではなく、最近入社された方のメンターとして 1on1 をする機会も増えてきました。このケースでは私が聞き手に回る必要があるのですが、思い返してみると聞き手として 1on1 をする機会がこれまでありませんでした。自分のやり方で進めるだけでなく、他の人のやり方を参考にしたいと考え1冊本を読んでみたので、その本から得られた知見も後半で紹介したいと思います。
1on1 のときに意識しているコト
事前に共有/相談したいことを整理する時間を作る
1on1 を行う際は、話を聞いてもらう側が主体的に準備し、考えていることを積極的にシェアすることで、よいディスカッションになると思います。後述する本の内容には、上司が「話を引き出しやすい雰囲気を作る」ことも大切だと書かれていますが、話を聞いてもらう方がオーナーシップをもって準備し、積極的に発信した方が有意義な時間になるのは間違いないと思います。
「整理する」と書きましたが、頭の中で整理するだけでなく、テキストにまとめた方がよいと感じています。というのも(私だけかもしれませんが)、話し始めるとひとつのトピックで盛り上がってしまうことが多く、最後までたどり着かなかったり、何を喋りたいか忘れてしまうことが多いからです。目に留まるようにそのテキストを投影しながら話を進めることで、相手に「今日はこれらのトピックを話したい」とタイムラインを共有することができます。
中長期的な目標 / やりたいことが目にとまるようにする
日々の業務のことだけでなく、半年先、1年先、3年先にこういうことをやりたい / できるようになっていたいということを、目に入るようにしています。
* 日々の業務の話 * ぶらぶらぶら * ぶらぶらぶら * 今進めていること / 新ネタ * ぶらぶらぶら * ぶらぶらぶら * その他 * 勤怠〜 * 中長期的な目標〜 * 2020/5 の話〜 * 2021/1 の話〜
のような形です。最後に勤怠の話をして終わるのですが、その下に中長期的な話を書いておくことでイヤでも目に入るので、自分の尻叩きになっています。
「新ネタ」のところに、こういうことやっていきたい!と考えたことを書いておき、上司と会話して筋がよさそうなら「今進めていること」に即昇格、悪そうならボツ、そして長期的に薄く進めていくことにした場合は「中長期的な目標」として記載を残していくやり方にしています。このあたりは色々なやり方があると思うので、ぜひ皆さんの進め方も教えていただきたいです。
直接の上司じゃない方にも 1on1 をお願いする
今の仕事を始めてからはあまりできていないのですが、前職の頃はよくやっていました。同じオフィスで働いているスーパーな方にお願いして、隔週やら Monthly やらでやらせてもらっていました。
自分のロールモデル的な人が近くにいたとしても、同じチームでないとなかなか話すことができないと思います。そういう人に対して、頻度は低くとも、定期的に話す場を設けさせてもらうことで、色々なアドバイスをもらうことができると思います。この場合は、自分が何かを聞くだけでなく、最近自分がやっていることをシェアすることで、その人にとってもメリットがある形にすることを意識していました。
これから意識したいコト
続いて、これから意識したいことを書いていこうと思います。前述しましたが、聞き手としての 1on1 経験がなかったので、これを機に下記の本で勉強することにしました。この本を通して幾つか気付きがあったのですが、その中で今後まず意識することをふたつピックアップしてみます。
- 作者:小倉 広
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2019/05/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
1on1 に必要な5つのスキルを意識する
本の中では下記の5つが紹介されていました。
- 傾聴
- 勇気づけ
- 質問
- フィードバック
- 結末を体験させる
4.のフィードバックについては、「事実」をベースにすべきという話が書かれていました。私は「意見」をフィードバックとして伝えてしまうことが多いのですが、その場合は「私の考えを伝えてもいいですか」と事前に許可を取った上で進めることを推奨されていました。
また、5.の結末を体験させるについては、成功体験だけでなく失敗体験も重要な学びであり、それに対しての介入を極力控えるべし、という話でした。子どもが歩く道にある石を親が取り除いてはダメだよ、という話と同じ話かなと私は理解しました。
4.と5.を中心に、来週から意識していきたいと考えています。ちなみに、1.の傾聴ですが、喋る割合は2:8から3:7が適切とのことでした。
「経験学習サイクル」を意識する
「経験」→「内省」→「概念化」→「新たな試み」→「経験」→.. という4つのサイクルを進んでもらえるように、聞き手は「→」の部分を支援することを意識するとよいと書かれていました。
「経験」→「内省」フェーズ
このフェーズでは、効果的な「質問」をすることで、内省をサポートしてあげることが重要とのことです。質問の例としては、
- 「この体験における成功要因はなんですか?」
- 「あなたの強みを活かすとしたら、他にどのようなやり方があると思いますか?」
- 「この体験から学んだことを他に応用するならばどのようなことですか?」
などが挙げられています。こういう聞き方はできていなかったので、試してみたいと思います。
「内省」→「概念化」フェーズ
このフェーズでは振り返ったことを概念化するために「要約」や「言い換え」で支援すべき、とのことでした。具体的には、言語化する部分と、相手がまだ気付いていないことに気付かせてあげるという点で支援するために、
- 「今の話を一言にまとめるとすると?」
- 「私はあなたの話を xxx と理解したけど、ずれていないですかね?」
といった質問が具体例として挙げられていました。(上の質問は、自分が言われたらグダグダ喋ってしまったかなと思うので、言い方気をつけたいなと思いました。)
「概念化」→「新たな試み」フェーズ
このフェーズでは、「勇気づけ」に繋がるワードをチョイスすることが重要で、
- 「それ、いいですね」
- 「なるほど。そんなふうに考えたのですね」
- 「活き活きと楽しそうに話されていて私も嬉しくなりました」
といった例がありました。自分が共感できるときは、自然と「いいね」と言えていると思うので、問題は共感できないときだと思いました。先の「結末を体験させる」とも絡むと思いますが、大怪我にならない程度にケアしつつ、背中を押してあげるようなワーディングをしたいですね。
「新たな試み」→「経験」フェーズ
最後のフェーズは「任せる」ことが大切で、
- 「xxx という仕事にチャレンジしてみませんか?」
- 「xxx の仕事ではどのような質を求めますか?」
という言い方を筆者は勧めていました。
いきなり全てを実践できる気がしないのですが、ひとつずつでも試してみたいと考えています。
まとめ
1on1 について自分が日頃意識していることを整理しつつ、最近聞き手に回ることも増えているのでその際に意識したいことをピックアップしました。前半については誰かの参考になれば嬉しいですし、ぜひ皆様のやり方を教えていただきたいです。後半については、2ヶ月ほどメンターをやることになったので、1on1 の前にこの記事を見直して、ひとつずつ試していければと考えています。それでは!