コーチングできるようになりたい① 『コーチングが人を活かす』を読んだ

 久しぶりのポストです。元々コーチングに興味があったのですが、仕事面でも私生活面でもこのスキルがあると捗りそうだと感じたので、少しずつ勉強を始めることにしました。基本的には自分のためのメモになりますが、同じようにコーチングを学ぼうと思われている方の一助になれば幸いです。(タイトルに「①」と書いたのですが、シリーズ化されなければこっそり①を外します:))

コーチングとは?

 Wikipedia 先生によると、

  • 促進的アプローチ、指導的アプローチで、クライアントの学習や成長、変化を促し、相手の潜在能力を解放させ、最大限に力を発揮させること目指す能力開発法・育成方法論
  • 個人の成長や組織の発展を後押しする活動
  • ビジネス分野で人材開発の手法として最も成長
  • コーチングの方法論は、目標へのモチベーション、幸福、希望や目標達成を高め、不安やストレスを軽減すると考えられている

とのこと。

ja.wikipedia.org

ティーチングが細かく「指導」することに対して、コーティングはコーチされる側自身が能動的に気がつくことができるよう「後方支援」するようなイメージでしょうか。直接答えを教えるのではなく、会話を通じて自ら気付いてもらう。教えられたことよりも、自ら気付いたことの方が成功体験としてプロセスが記憶に残るので、結果として再現性が高くなるのかな?と理解しています。

なぜコーチングに興味を持ったのか

 前職の新人の頃にコーチングができる先輩がいて、人づてにコーチングの概要を聞いたことがありました(コーチしてもらったことはないのですが)。その後7年間コーチングをする/してもらう機会も必要もなく過ごしてきてしまったのですが、今年に入りふたつの理由でコーチングを知識として知っておきたくなりました。

仕事に活かしたい

 ひとつ目は、新しい仕事で活かすことができないだろうか、と考えているからです。新しいお仕事では、毎日異なるお客様とお話し、技術的なディスカッションやアーキテクティングを行い、お客様のサービス開発を促進するのがミッションです。私は学生時代から教える、つまりティーチングは好きだったこともあり、同じようにティーチングする形でお客様と会話すると、少なくともその相談会の中では「参考になった」というようなお言葉をいただくことができています。

 しかし、こちらから直接的なアドバイスをすると、その瞬間お客様が悩んでいることは解決できるかもしれませんが、その先(自分がいなくとも)お客様が開発を進める中で新しい課題に出くわしたときにどうなんだろうか?と最近考えています。もちろん、短い時間での打ち合わせ、かつ9割以上は初めて会うお客様という状況なので、直接的な情報提供が必要なシーンもあると思います。ただ、そのなかでコーチング的な要素を少しでも散りばめられると、長い目で見たときのお客様のメリットに貢献できるのではないかと思った次第です。

子どもとの関わり

 ふたつ目は、子どもに何かを教えることが増えたからです。上の子が5歳なのですが、最近うまく言語化して教えられないことが増えてきました。例えば、ホールケーキを3等分するにはどうすればいいか。いや、120度ずつバンバン切ればいいのですが、角度なんて概念はないんですよ。そもそも面積という概念もないですし、計画性もないので初手で半分に切ってくるわけです。かろうじて直線を3等分することはできたので、紐を買ってきて、3等分してもらって、それを円にして、という形で教えてみました。「こうやるんだよ」よりもよい教え方だったと信じたいのですが、こういうシーンでなるべく子ども主体で考えてもらえるような後押しをしたいんですよね。

 コーチングは「上司が部下を指導する」シーンが題材になっていることが多いように見受けられるのですが、お客様と話すシーン、子どもと話すシーンでも「相手の潜在的な考え」をほぐしていく方法はきっと活用できるんじゃないかと思っています。まずは、基本的なことを学んで、適用できそうなことを少しずつ試してみたいと思っています。というわけで、ひとつ有名どころの本を読んでみることにしました。

『コーチングが人を活かす』

コーチングが人を活かす (ディスカヴァー携書)

コーチングが人を活かす (ディスカヴァー携書)

 この本は50の具体的な手法を元に、コーチングの基本を学ぶ本です。最後に、こういう状況だったら何番目の手法が活きる、というリファレンスもついているのがよかったです。参考になるポイントは読む人の状況によると思うので、この記事では、私がこの後具体的にNext Actionが取れそうな手法についてメモを残したいと思います。

仕事に活かす

27. 点数化する

ふだん漠然と「やれていない、できていない」と思うことを「点数にしたら何点なんだろう」と問いかけてみると、行動を客観的に振い返ることができる

お客様との打ち合わせで持ち込んでいただいた情報が漠然としていることがあります。これは特に案件が始まったフェーズで要件を洗い出せてないときに多い気がします。漠然としていることは問題ではなく、そこを少しずつ分解して、課題をクリアにしていくことが私の腕の見せどころだと思います。そんなときに「点数にしたらどうだろう」メソッドは使えそうだなと思っています。例えば、「運用の部分の設計どうですか?」と聞くよりも、「運用設計の部分、今の時点で検討状況を10点満点で言うとどんな感じですかね?」と聞く方が、うまくいっていることも、うまくいっていないことも、お話ししていただけるのではないかという感覚があります。試してみたいところです。

4. 「なぜ」と「なに」

コーチングでは「なぜ」のかわりに極力「なに」を使うようにします。それは「なに」を使った質問のほうが、内側にあるものを引きだしやすいからです。

設計を悩まれてるお客様、運用がうまくいっていないお客様と話すときに、根本原因を抑えておきたいときがあります。そんなとき、「なぜ」を使いがちだなとこの章を読んでいて思いました。上司と部下という関係ではありませんが、もしかしたらお客様にしゃべりにくい雰囲気を作ってしまう場面があったかもしれません。「なにがxxの妨げになっていますか?」「なにがお客様を悩ませていますか?」という聞き方を試してみたいと考えています。

25. 行動は「いい感じ」から

起こそうとする行動のプロセスをイメージしてしまう

無意識のうちに〜「いやな感じ」が押し寄せる

行動のプロセスではなくその行動の先の「いいこと」をイメージする。

直接仕事に繋がるか分からないのですが、会話のときに気をつけたいと思ったのでピックアップしてみました。手間のかかる作業や、気を使う作業など How を意識しすぎた結果、(先延ばしにして)優先度を下げてしまうことがあるかもしれません。How の話をする際は、前後に Why の話をすることで、前向きにタスクに向き合ってもらえるようにできるかもしれません。そして、私自身も骨のかかるタスクを後回しにしがちなので、日頃からいい感じをイメージしてみようと思います。

子どもとの関わりで活かす

13. 同じ言葉を繰り返す

コーチングの基本的な哲学は、「安心感で人を動かす」というものです。

相手に安心感を与える非常に強力な方法が、この「同じ言葉を繰り返す」です。

ここからは子どもとの関わりの中でチャレンジしてみようと思うことです。まずは「同じ言葉を繰り返す」をピックアップしてみました。こちらは、本の中で題材が子どもとのやり取りだったこともあり選んでいます。何かがうまくいかないとき、姉妹で喧嘩したとき、母親に怒られたときなど、私のところに来る長女ですが、どう対応するのが難しいなと思うときがしばしばあります。本人のために厳しい方向に話す必要があることもあるし、でも厳しさだけでは心を開いてくれなくなるかもしれないし、甘やかしすぎるのもどうなのか、などなど。そんなときに、まずはこの方法を使うことで、安心感を与えることができるのかもしれません。安心感を与えた上での厳しいコメントの方が、本人も聞いてくれるでしょうし、また何かあったら自分のところに来てくれる気がします。

38. 失敗する権利を与える

「失敗する権利」がないところでは行動がどうしても「しなければならない」の連続になり、自発性よりも義務感を助長してしまいます。

実際に子どもとのやり取りでよくあるのが、子どもに何かを教えているときに怒ってしまうことです。一歩引いてみると自分の教え方が悪いのに、よくないですよね。失敗したことを褒める、うまくいかなかったけどチャレンジしたことを褒める、自分で新しいやり方を考えようとしたことを褒める、などなど意識していきたいと思っています。ここはひとつ前の「安心感」にも近いかもしれません。

24. 未来を魅力的にする

ぜひ部下に聞いてみてください。将来どんなふうになりたいのか。〜決して消えることのない鮮烈なイメージが作り上げられるまで、丹念にきいてみてください。

そうすればその後は、あまり尻を叩かずとも部下は動くでしょう。

ある習い事を始めるときに、「どのような信念で子育てをしていますか?」と聞かれたことがあります。人に流されるのではなく、自分が大切にしたいものを大切にして追い求めてられる人になってほしい、と答えたような気がします。やりたいことを自分で決めて、それに対して粘り強く向かいあえるといいなと思ってます。そういう「粘り強さ」は、"将来○○したいからこれをやるんだ" という想いから作られるのではないかなと思います。子どもが何かを諦めてしまいそうになったときに、頑張りなさいだけではなく、未来の話を一緒に考えることもしてみたいと思います。

まとめ

 『コーチングが人を活かす』を読んで、今後(さり気なく)試してみたい Action を整理してみました。Actionの結果、相手によい影響を与えられたかを評価するのが難しそうだなと思いつつ、まずは試してみた上で考えようと思います。②が書けるように、今後も薄く長くコーチングを学んでいければと考えております。