AWSを学ぶ上でやってよかった勉強法5選

 「AWSの勉強をしたいんだけど、まず何をすればいい?」と会社の同期や同僚から聞かれることがよくあります。ありがたいことに、先日 Amazon Web Services 業務システム設計・移行ガイド (Informatics&IDEA) を出版してからは、システムエンジニアではない知人からもこのような質問を頂くようになりました。このような質問を頂いた方には、過去に有志で開催していた社内勉強会の資料を渡したり、自分の勉強方法を共有したりするのですが、自分がどのような勉強方法をしてきたか棚卸ししきれていないなと感じたので、これを機に整理しようと思います。

私について

 私は、大学時代はアプリケーション系の情報専攻で、社会人になってからも入社後最初の数年はアプリエンジニアとして仕事をしていました。そのため、当時インフラサイドの知見はほとんどありませんでした。そのような状況に危機感があり、当時の上司にお願いしAWSの案件を担当させてもらいました。最近は、アプリもインフラもという立場で働かせてもらっていますが、キャリアとしてはアプリとインフラだいたい半分ずつといった状況です。(アプリ2年、インフラ2年、アプリ&インフラ2年)

 そのため、

  • インフラをやったことない方
  • 情報系の勉強をこれから始める方

には、私の勉強方法はきっと参考になるのではないかなと思っています。

1)手を動かすのに最適な1冊目:「Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築」

Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂版

Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂版

 AWS を学ぶ上で一番大切にしていることは「実際に手を動かすこと」です。AWS のサービスを実際に使ってみることで、細かい仕様や設計ポイントを知ることができますし、実際の案件でも自信を持って設計・構築に取り掛かることができると思います。AWS のサービスには無料枠があるので、それをうまく利用して実際に各種サービスを使ってみることをおすすめします。

 とはいえ、最初に何をしていいか指針がないと辛いと思います。そこでおすすめなのが Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂版 です。この本では、

  • VPC を作る
  • Public & Private Subnet を作る
  • EC2 で Web サーバ & DB サーバを作る

というように、AWS を用いたインフラ環境の構築の流れを学ぶことができます。VPC は AWS の中でもコアサービスだと思うのですが、EC2 や RDS などのサービスよりも地味な(?)印象を持たれるのかあまり理解しないまま使われていることが多いです。VPC の知識がないままシステム構築してしまうと、セキュリティ的なリスクが膨れ上がります。何をするにしても、VPC はまず抑えておくべきサービスだと思うので、この本でベースを固めていただければと思います。

 最初に「昔やっていた社内勉強会の資料を渡したりする」と書きましたが、実はこの本をベースにした勉強会を開催していました。だいたい1.5時間の内容を前編・後編でやり、合計3時間くらいの内容でした。本はそこまで厚くないこともあり、AWS初学者の方が個人で取り組んでも、半日もかからずに環境を作ることができるのではないかと思います。  

2)簡単なWebサービスをAWSで運営する

 次のステップとしておすすめなのが、簡単なWebサービスをAWS上に構築し、運営することです。「Webサービス」と書くと重厚な気もしますが、Wordpress を入れて個人ブログを運営するので十分です。具体的なサービスを運営してみると、「こういう機能はあるのかな?」「こないだ発表された新サービスを適用するとどうなる?」というように、AWSの各種サービスを自分ごととして学ぶことができます。サービスの数が多いので、闇雲に勉強するよりも、自分に必要なことにアンテナを張り、できることを少しずつ広げていくのがおすすめです。

 私も、構築したブログのバックアップをどう取るのがいいのか考え、当時新サービスとしてローンチされた Lambda を使ってみた記憶があります。今となっては古い情報になってしまいましたが、下記のような Qiita 記事にまとめています。

qiita.com

qiita.com

まずは小さいサービスでも構わないので実際に運営してみると、困ることが発生→それを解決するにはどうすればいいか考える→AWS力がつく、というサイクルを作ることができることができると思います。

3)JAWS のイベントや AWS 主催のオンラインセミナーに参加する

 AWS に精通されている方は世の中にたくさんいるので、その方々の話を聞くのも大変勉強になります。AWS には JAWS というユーザグループがあり、各地で勉強会が開催されています。

jaws-ug.jp

こちらのリンクに直近開催される勉強会情報が記載されているので、近くのものに参加すると勉強になりますしたくさん刺激をもらうことができます。勉強のモチベーションを継続する意味でも JAWS に参加するのはおすすめです。首都圏にお住まいの方でしたら 3/10(土) に JAWS DAYS という1年で一番大きな JAWS イベントが開催されます。

jawsdays2018.jaws-ug.jp

AWS界隈の有名な方々のお話が聞ける最高のイベントです。私も2014年の JAWS DAYS に初参加させていただき、すごい人達の話を聞いて一気にモチベーションが上がった記憶があります。

2014年〜2016年まで毎年参加していたのですが、去年は参加できなかったので、今年は参加したいなーと思っています。

 近くで JAWS の勉強会が開催されない方にはオンラインセミナーがおすすめです。

AWS オンラインセミナースケジュール | AWS

AWS さんが主催していて、火曜日の昼と水曜日の夜を中心に開催されます。なんと無料で、オンラインチャットで質問もすることができます。前述の通り、AWSはサービス数が多いので、「自分のプロダクトに取り入れると便利なのにそもそもそのサービスを知らなかった」ということが稀によくあります。オンラインセミナーに定期的に出席することで、このような食わず嫌い?をなくすことができるのでおすすめです。

4)幅広いインフラの基礎知識をつける

 クラウド、オンプレ共通で(?)必要な知識もつけるようにしました。元々オンプレ経験がある方には不要かもしれませんが、AWS でインフラを始めた私にとっては必要な勉強だったと思います。

 インフラ関連本で特に役に立ったと感じている本です。

マスタリングTCP/IP 入門編 第5版

3分間DNS基礎講座

Chef実践入門 ~コードによるインフラ構成の自動化 (WEB+DB PRESS plus)

インフラエンジニアの教科書2 スキルアップに効く技術と知識

イラスト図解式 この一冊で全部わかるWeb技術の基本

基本的なインフラ知識なしに AWS 知識だけ付けても、本当の意味で AWS を使いこなしているとは言えないと感じています。私もまだまだなので、これからも継続して勉強していきます。

5)AWS 資格を取る

 AWS には認定資格があります。この資格の取得を勉強のマイルストンにするのもおすすめです。ソリューションアーキテクトの資格は、「どのシーンでどのAWSサービスを適用するか」を学ぶ上では最適な資格だと思います。まずはこの資格のアソシエイトレベルを取得できるように勉強すると、自ずと満遍ない知識がつくのではないかと感じました。

aws.amazon.com

昔の記事で恐縮ですが、3年ほど前にソリューションアーキテクトアソシエイトを受講したときにした勉強をまとめた記事がこちらになります。参考になれば幸いです。

www.ketancho.net

まとめと宣伝

 勉強方法は人それぞれだと思いますが、振り返ってみて自分がやってよかったと思う内容をまとめてみました。

 最後に宣伝になるのですが、先日出版した本も AWS 力をつけるには良い本だと思います。

先日、書店用のPOPを書かせていただいたのですが、そこにも書いたとおり「今年はAWSを始めるぞ!」という方にはぜひ手にとってもらいたい内容になっています。

  • 1)で紹介した本でAWSネットワークの基礎知識をつけた方は、この本の4章でネットワークの更に詳しい実践力をつけていただく
  • 2)のサービス構築をする前に、この本の5章で AWS のメジャーサービスを使った設計パターンを理解していただく

というような使い方をしていただけると、効果的ではないかと思います。ぜひ、書店にてお手に取っていただければ嬉しいです。

Amazon Web Services 業務システム設計・移行ガイド (Informatics&IDEA)

Amazon Web Services 業務システム設計・移行ガイド (Informatics&IDEA)

  • 作者: 佐々木拓郎,林晋一郎,瀬戸島敏宏,宮川亮,金澤圭
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2018/01/20
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る

2018/5/7 に関連記事を書きました :)

 こちらも合わせてご覧いただければ嬉しいです。

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